金の輪‥。

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2019年03月20日(水)


金の輪‥。 [スタッフ日誌]

イワヲは長いあいだ、ヤバい病気で伏せていましたが、ようやく床から離れて外出できるようになりました。
けれどまだ三月の末で、朝と晩には寒いことがありました。
だから、日の当たっている時間は、外へ出ても差し支えなかったけれど、晩になると早く家へ入るように、医者から言い聞かされていました。
まだ、桜の花も、ももの花も咲くには早うございましたけれど、梅だけが垣根の際に咲いていました。
イワヲは最近まで入院していましたけれど、誰も友だちがいませんでした。
一人しょんぼりとして、イワヲは家の前に立っていましたが、ポストには年末から溜まった督促状の束‥それを読みながら細い道を歩いていました。
すると、心地良い金の輪のふれあう音がして、ちょうど鈴を鳴らすように聞こえてきました。
遠くを見ると、往来の中を まぁ君が輪を回しながら走ってきました。
そして、その輪は金色に光っていました。
イワヲは目を見はりました。
かつてこんなに美しく光る輪を見なかったからであります。
しかも、まぁ君の回している金の輪は二つで、それが互いにふれあって、よい音色をたてるのであります。
イワヲはかつてこんなに上機嫌なまぁ君を見たことがありません。
ちょっと笑顔が柳沢慎吾に似てるな!と思いながら、往来を走って行くまぁ君の顔を眺めてました。
まぁ君は、その往来を過ぎる時に、ちょっとイワヲの方をむいて微笑しました。
16年来の友人に向かってするように懐かしげに見えました。
輪をまわして走る まぁ君の姿は、やがてキスケPaoに消えてしまいました。
けれど、イワヲはいつまでも、その行方を見守っていました。
イワヲは「何してるんだろう?」と思いましたが「まぁ、いいか‥」と帰りました。
あくる日の午後、イワヲは道後に出てみました。
すると、ちょうど昨日とおなじ時刻に輪の鳴る音がきこえてきました。
イワヲはファミリーマートから往来を見ますと、まぁ君が二つの輪を回して走ってきました。
その輪は金色に輝いて見えました。
まぁ君はその往来を過ぎるときに、イワヲの方をむいて、昨日よりもいっそう懐かしげに、微笑んだのであります。
そして、「昨日、7万勝ってん!」と嬉しそうに言うと、そのまま行ってしまいました。
イワヲは、しょんぼりとして、まぁ君の行方を見おくりました。
いつしかその姿は、エクセレントビルに消えてしまったのです。
けれど、いつまでも まぁ君の微笑みがイワヲの目に残っていて取れませんでした。
「何を打ったんだろう‥」とイワヲは不思議に思えてなりませんでした。
今まで一度も勝った話を聞いたことがない まぁ君だけれど、なんとなく嘘くさい気がしてならなかったのです。
「俺と一緒に行けば絶対に勝つから!」と言われ、西の空が赤くなって、日暮れがたになり、イワヲは家に帰りました。
その晩、イワヲは電話で母親に、二日もおなじ時刻に金の輪を回して走っているまぁ君のことを語りました。
母親は「関わらんとき!」と言いました。
その晩、イワヲは まぁ君から金の輪を一つ分けてもらって、二人でスロットで勝つ夢を見ました。そして、ゴト行為がバレ、囮にされ捕まったイワヲは牢屋に入れられるところで目が覚めました。
そして、後日‥。
それは正夢となり獄中でイワヲは45歳で亡くなりました。

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